COLUMN
2024年6月21日
こんにちは、東京神楽坂歯科院長の菊地です。今回も当院で日々行なっている根管治療についてお話しをします。最後までお読みいただけると幸いです。
口腔内で起きる疾患(病気)は細菌による感染症が多いです。特に歯周病では歯周病原菌による感染症、歯髄炎や根尖性歯周炎などは歯の神経へ細菌感染することで起きる病気です。今回は根管治療の重要性などを踏まえて説明します。
根管治療は細菌感染の除去を目的とした治療です。根管内(歯の中の神経がある空間)に細菌が感染し続けると、根尖(歯根の先端)周囲に、膿瘍(うみ)を形成します。膿瘍を治療せず放置をすると、最悪の場合に抜歯が必要です。歯を保存(残す)する治療として、細菌感染を除去する根管治療はとても重要です。
歯の構造は表層から順にエナメル質、象牙質そして歯髄(歯の神経)です。虫歯によりエナメル質から象牙質に虫歯菌による細菌感染が及ぶと、歯髄は「痛み」として危険信号を脳に伝達します。歯髄は外部からの細菌感染を知らせてくれる重要な役割と細菌が体内に入ってくるのを防ぐ機能を持っています。
歯の神経及び根管に感染した細菌を除去する治療です。細菌は肉眼またマイクロスコープをもってしても、確認することができません。根管治療は細菌を無菌かするということではなく、体(この場合歯の中)が許容(膿をつくらない)できる数まで細菌を減らす(除去)するという治療の考え方です。
①虫歯により、歯髄に痛みを伴っている場合
②一度根管治療を受けたが、再度根尖に膿瘍を形成している場合
上記以外にも根管治療が必要になるケースもあります。
根管治療の大きな目的は、歯を残すことです。抜かずに治すこと、大切な臓器を保存できることが大きな利点です。
症状の経緯を確認、レントゲン(CTなども含む)、マイクロスコープでの歯の状態確認、歯髄の生死の検査から正確に診断をする。
当日、自発痛(安静時にも痛むこと)があり、緊急性を伴う場合は局所麻酔下で、一部歯髄の除去もしくは膿を出して、お薬を根管内に入れて塞いで終了の流れ。
2回目以降、とても細い根管に対して、お薬が浸透しやすいように根管を広げる。
細菌除去を目的に、根管内を洗浄ようの薬剤できれにする
歯髄をとると、空間ができるため、歯髄の代わりとなる薬剤を緊密に満たすことを根管充填と言います。
根管治療を行うと大なり小なり歯がなくなっています。そのため、被せ物や詰め物(クラウンなど)で噛めるように治療をして終了です。
治療のリスクとして、治療をしてからも炎症が治るまで痛みが数日続くことがあります。また根管治療によって全ての歯が治せるわけでなく、適切な診断のもと治療方針を決めることがとても重要です。
合併症として、歯性上顎洞炎があります。特に上の大臼歯の根尖性歯周炎の場合、上顎洞(副鼻腔といい、鼻腔につながっている空間)に炎症が可及すると上顎洞炎になる危険性があります。
インプラント治療は歯を抜いて行う治療です。抜かずに歯を残せるのであれば、根管治療により歯を残す利点が大きいと考えます。
治療後は再発の有無がないか、6か月~1年に一度レントゲンを撮ります。また、根管治療を行った歯も、再度感染のリスクがあるため、歯周病治療の予防治療の一貫として3ヶ月おきのメインテナンスを推奨しています。
日頃できる予防策は、毎日の歯ブラシとフロスの使用です。歯垢(細菌)を除去しない限りは再発の危険性を伴います。
3ヶ月に一度を推奨しております。日頃からブラッシングをしていても、やはりご自分では撮りきれない歯垢もあるため歯科衛士による専門的な歯垢除去を定期的に受けていただくこと推奨します。
①根管治療の期間
おおよそ1ヶ月です。
②ラバーダムを使って治療をしているか?
自由診療の根管治療でラバーダムを使った根管治療を行っています。
③マイクロスコープを使って根管治療を行っているか?
マイクロスコープを用いて根管治療を行っております。
④自由診療の根管治療費は?
当院での治療費は132,000円です。
⑤根管治療の際にCTを撮影しますか?
必要に応じてCTの撮影を行います。
根管治療は歯を抜かずに治すことができる、基本治療です。今歯に違和感や噛んで痛むという症状がおありでしたら、受診をお勧めします。根管治療は早期に始めることで症状の緩和につながります。また、根管治療に際して、マイクロスコープ・ラバーダムは治療に際して必須です。「抜かずに歯を残す」ことは、健康増進にも寄与します。お困りの方は当院までお問い合わせくださいませ。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。また皆さまに歯を抜かずに済む治療方法や予防治療など有益な情報をご提供いたします。