COLUMN
2024年8月14日
こんにちは、東京神楽坂歯科院長の菊地です。今回はダイレクトボンディングについてお話しします。
はじめに
ダイレクトボンディングとは何か
その日に行う精密な虫歯治療です。ラバーダムを用いて、接着力を高めてコンポジットレジンにて、歯の形態と審美性を高めながら治療を行う方法です。
歯科治療における役割と重要性
ダイレクトボンディグは、保険内治療と比べて高い接着力と高品質のコンポジットレジンを用いた治療のため、審美性が求められる部分にも応用されます。
ダイレクトボンディングの原理
ボンディング材とその役割
エナメル質と象牙質への接着
コンポジットレジンと接着剤を用いて行います。エナメル質及び象牙質に対して、接着剤が浸透し、その接着剤とコンポジットレジンが接着することで歯にコンポジットレジンがくっつきます。
プロセスと手順
歯の表面処理
エッチング
エナメル質の表面を酸性の薬剤により、電子顕微鏡レベルで見ると凸凹になります。表面積が増えることでより接着剤がくっつきやすくなります。
プライミング
象牙質には細かな繊維があり、プライミングはその繊維に作用させて、次のボンディングとの馴染を良くします。
ボンディング剤の塗布
プライミングにより象牙質の繊維が立たされ、そこにボンディング剤が合わさることで、コンポジットレジンと強固に接着する樹脂含浸層が形成されます。
利点と課題
ダイレクトボンディングの利点
即時修復
一回の治療で、終了です。当日に綺麗な歯に仕上がります。
審美性の向上
今まで古い詰め物が入っており、見た目が悪いところなど、その日にご自分の歯と変わりないほどに仕上がります。
ダイレクトボンディングの課題
接着の耐久性
接着操作が不十分だと、ダイレクトボンドの詰め物がかけてしまったり、取れてしまうことがあります。
技術的な難易度
咬合面のダイレクトボンディングはとても有効です。しかし、奥歯に行くほど視野が狭まるなど治療の難易度が高くなります。また前歯など審美的に繊細な箇所は、研磨や色合わせなど注意深く行う必要があります。
二次う蝕のリスク
接着操作が不十分であると、歯と詰め物の間に段差ができ、そこからまた虫歯ができます。
応用例
虫歯治療
虫歯治療にメインに用いされております。適用症もあるため、治療の前に十分な説明を受けてから処置を受けることをお勧めします。
歯の欠損修復
歯が欠けてしまった時など、小さな欠損に関してもダイレクトボンドは非常に有効です。
審美修復(例:ホワイトニング)
前歯で多いのがホワイトニングで歯と歯の間の詰め物が白くならないということです。ホワイトニング後に、古い詰め物をダイレクトボンディングで治療をすると白くなった歯に調和する詰め物が可能です。
まとめ
ダイレクトボンディングの重要性の再確認
健康な歯を削りすぎずに、その日に処置が終わる最先端の治療です。診断の上、適用になる場合は、歯を長持ちさせることに繋がりますので推奨したい治療方法です。