COLUMN
2023年7月7日
虫歯になってしまったところを削って、人工的な詰め物をすること。これが虫歯治療の基本的な流れです。以下詳しく虫歯治療の詳細をご説明いたします。
虫歯とは歯の感染症です。お口の中の存在する菌(ミュータンス菌)が、ショ糖などを餌として排出した「酸」によって歯が溶かされる。それが虫歯です。
虫歯の進行段階と症状は以下の通りです。
①エナメル質に限局した虫歯
→歯の一番表面で、体の中で最も硬い組織のエナメル質、ここだけの虫歯です。自覚症状はほぼありません。歯と歯の間の清掃で用いるフロス(糸ようじ)にささくれができる場合はがあります。
②象牙質に波及した虫歯
→エナメル質直下の組織です。ここから痛みを伴うことが多く、進行も早いと言われています。症状は冷たいもの、温かいもの、甘いものでしみる。見た目では歯が少しグレーがかってみえることもあります。ここまで虫歯が進行すると治療の介入が必要です。
③歯髄に波及した虫歯
→歯髄とは歯の中にある神経組織・血管など複合的な組織をです。ここまで虫歯が進行すると、かなり強い痛みを伴います。ここまでくると虫歯の治療と併せて、根管治療(歯の根の治療)が必要になります。
④残根状態
→③の状態から治療をしない状態ですと、歯の頭の部分が溶けてなくます。この歯の根しか残らない状態を「残根」と言います。
歯を残すために必要な治療です。
レントゲン写真が診断に必須です。また当院ではマイクロスコープを用いて治療を行いますので、虫歯の取り残しがかなり少なくなります。
まずは日頃の歯磨き(デンタルフロスの使用も含む)と食生活(食習慣)が虫歯予防の基本となります。食事をした後の歯ブラシは必須です。歯ブラシのタイミングで特に重視していただきたいのは夜寝る前です。就寝前は唾液の分泌量が減少します。唾液はお口の中を綺麗にするはたらきがあります。もし仮に歯ブラシなどの口腔ケアを行わずに就寝されることが習慣化せれていくと虫歯ができるやすくなるためとても危険です。
また日頃の食生活も虫歯だできる大きな要因です。甘い物を食べると虫歯になることはご存知だと思います。ではなぜ「甘いものを食べる習慣」が虫歯ができてしまうことにつながるのでしょうか。「時間」と「食べるもの」この2つがポイントです。
まず「時間」です。基本的に食事の際にお口の中は酸性の状態に傾きます。酸性というのは歯を溶かす状態です。この状態が長ければ長いほど、歯を溶かします。甘いものを長時間に渡って食べていると、虫歯になる危険性がとても高まります。
次に「食べるもの」です。とても多い事例としてジュース(清涼飲料水、スポーツドリンクなど)やアメなどが挙げられます。ジュースやアメに共通することは、お口に触れる回数(時間)そしてとどまる時間が長いことが挙げられます。ジュースを携帯されて、頻回に飲まれることでお口の中は「常に」酸性の状態です。そうすると歯は溶け、ジュースに含まれる糖を虫歯菌が代謝をし酸を出します。そうすることでどんどんお口の中が酸性になり、歯が溶けるスピードが加速します。アメも同じことが言えます。アメは長時間お口の中にあることが多いです。そのため、前述の通り、お口の中が酸性になり、虫歯が出す酸によって虫歯ができます。これが習慣化されていくと、虫歯になりやすいお口の中の環境になります。食生活の改善があって虫歯を予防できることをご承知おきくださいませ。
まとめますと、基本的に食後の歯ブラシや歯間ブラシの使用を推奨します。甘いものはとっても構いません。しかし、必ず時間や量を決めて楽しむようになさってください。
以下虫歯の治療方法を挙げます。
シーラントとは、歯にある溝を専用の材料で埋める治療です。これは虫歯を予防するための治療です。歯には裂溝といい、歯ブラシなど届かない溝が存在します。その溝が深いとものが詰まりやすく虫歯になる危険性があるため、虫歯になる前に処置をすることが主です。
フッ素塗布は虫歯の予防また歯のエナメル質の強化につながります。フッ素は歯に取り込まれることで歯を強化してくれます。クリニックにで行うフッ素塗布とご自宅で行えるフッ素洗口などが挙げられます。
虫歯になってしまった部分を専用機器で取り除き、その部分に詰め物を行う治療です。主にコンポジットレジンという材料を用います。治療回数は1日(本数・虫歯の大きさによる)で終わります。
インレーは銀歯・金歯・セラミックスの3つが主に用いられます。
オンレーはインレーより虫歯の範囲が大きい場合に用いられます。
クラウンはオンレーより大きい範囲の治療です。よく被せ物と言われるのが、クラウンです。
治療回数は最低でも2回以上必要とします。虫歯の大きさによって治療回数が変わります。
根の治療を言います。虫歯が歯髄(歯の神経)に到達した場合に行う治療です。厳密には虫歯治療ではありません。根管治療になる前に、早めにかつ精密な虫歯治療を行うことで避けるべき治療です。
虫歯が進行して、残せる状態ではない場合に「抜歯」を行います。歯がなくなってしまった箇所に人工的な取り外し式の歯を入れて噛めるようにする治療が「入れ歯」です。入れ歯になる前に、ご自分の歯を残すため早めの治療が推奨されます。
初診の際にレントゲによる検査を行います。レントゲンにより虫歯の進行度合いを把握することができます。
レントゲンをもとに治療計画を決めます。この際とても大事なことがあります。すぐに治療ではなく、再発をしないようにかつ、長持ちする治療を一緒に皆様と決めてから同意を得て、治療へ進みます。当院では虫歯になってしまった原因を改善してからの治療へ移行する方針をとっております。
痛みを伴うことが予測された場合は、必ず麻酔をしてから治療を行います。麻酔には大きく分けて二つの痛みに分けられます。麻酔をする際の痛みです。痛みの少ない部位から少しずつ麻酔を行います。よく聞く事象として、痛みに我慢をしながら処置を受けたという点です。当院では治療中の痛みの内容に配慮して治療を行います。
治療に対する同意を得た上で、各治療をご提供いたします。今後各治療の詳細についてはブログを通じてご参考にしていただけますと幸いです。
再発しないように、日頃ろの食生活や口腔ケアの方法を歯科医師、歯科衛生士より説明いたします。
治療後の違和感、痛みなどが続く場合がございます。これは虫歯の大きさによります。詰め物(セラミックスなど)の治療後、染みる感覚や違和感が3〜6ヶ月続く症例もございます。リスクに関しては治療前に説明いたします。
健康保険内で虫歯の治療は約3000円前後です。自由診療の場合は当院ホームページに記載がありますのでご参照ください。再発の少ない治療を目指しております。
虫歯治療は歯を削る治療です。大なり小なり虫歯がありますが、歯髄(歯の神経)に影響し根管治療が必要になる場合がございます。
日常の口腔ケアと専門的なケアを推奨しております。治療を終えてからの、ケアがその治療の予後に大きく左右します。定期的な専門的なケアを推奨いたします。
定期的なケアをすることで、早期発見や治療した歯のまもることに大きな影響を与えます。