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歯の豆知識

COLUMN

歯科用マイクロスコープとは?患者さんと歯科医師双方のメリットを解説

2026年9月10日

1.はじめに|歯科治療は「見えるかどうか」で変わる

実際の歯は非常に小さいです。奥歯(大臼歯)でも約11mmほどです。

歯の亀裂(破折)、ごく小さな虫歯など、肉眼では確認困難な部分が多く、デンタルミラー(歯科医がよく手にもっているお口の中でしようする小さな鏡)を駆使してみても、お口の中は暗くて見えないことが多い。

マイクロスコープを使用することで、治療部位を大きく拡大(最大で約25倍)して確認できる。今まで感覚で治療していたろころも、明確に拡大して治療ができるため、感覚ではなく、しっかりと見ながら治療ができます。そのため、治療の精度が高まることに繋がるのです。

マイクロスコープは単に拡大するための医療機器ではなく、診断と治療の精度を高めるための重要な設備です。

私にとってマイクロスコープは仕事においてはメガネと一緒だと思っており、ないと仕事にならない、治療の際、『機器』の中で最高の相棒です。

また、『スタッフ』が治療に集中させてくれる、サポートしてくれる、一緒に治療に携わる最高の相棒であることは間違いありません。

2.歯科用マイクロスコープとは?

歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)といい、肉眼が1倍として、倍率を約5〜25倍にすることができる医療機器です。特にお口の中(「口腔内」とよくいいます)は光が入りにくいため暗く、視野の確保が治療に影響します。

マイクロスコープのLED光により、特に根管治療など光を必要とする治療には不可欠です。本当によくお口の細かな部分までみれます。

歯科医師にとってのメリットの一番は、「よく見える!」ことであり、当院で重視している患者さんへの説明で、治療の内容をダイジェストで「動画」でお伝えしています!

3.歯科医師にとってのマイクロスコープのメリット

ここが一つ目の大きな柱です。

① 肉眼では見えない細かな部分まで見ることができる

以下、私たち歯科医師や歯科衛生士にとって細かくみたい代表例です。

  • 根管治療の際に神経(歯髄)が入った根管(歯の中のほそい管)
  • エナメル質と象牙質の境目に残った虫歯 ※取り残すと虫歯が再発する
  • 歯の破折(細かなひび割れ)
  • 被せ物と歯との境目の適合状態 ※段差があるとプラークがたまる
  • 縁下歯石(歯根の深いところにこびり付いている)や歯茎の炎症など
  • 被せ物と歯の境目に残った古い接着材 ※歯肉炎の原因になる

「お口の中で見えないものを経験や感覚だけで治療する」のではなく、実際に自分の目で確認しながら処置できることこそが、マイクロスコープを用いて治療を行う最大のメリットです。

② 必要な部分だけを治療しやすい

東京神楽坂歯科の歯科治療においては、マイクロスコープを使うことで、

「虫歯や歯周炎による炎症の組織を確実に除去しながら、健康な歯質や組織をできるだけ削らずに残す」

という治療をご提供するために、治療においては必ず使用しております。

「しっかりと治療を行うため!= たくさん削る!」のではなく、むしろ
「必要以上に健康な歯・組織を削らないための精密治療」というコンセプトです。


③ 診断の精度を高めやすい

たとえば、

  • 痛みの原因が歯の破折なのか
  • 虫歯ではなく単なる着色なのか
  • 虫歯がどこまで進んでいるのか、そもそも虫歯なのか
  • 縁下歯石が原因で歯茎が腫れているのか

などを視覚的に確認することができます。

ただ、ここで重要なのは「必ず診断できる」という訳ではなく、診断に至るまでの一助だということです。


マイクロスコープを使用することで、「診断のための重要な情報が多く得られる」ことにつながります。

④ 治療の再現性を高められる

経験だけに頼らず(歯科医師としての経験ももちろん大事なのですが!)、

拡大された視野の中で処置前に確認→処置→治療後に再確認

という工程を繰り返し行うことができ、治療の質を一定に保つのに、マイクロスコープは有用なのです。

4.患者さんにとってのマイクロスコープのメリット

先ほどまでは我々歯科医師側のメリットをお話ししてきましたが、では患者さん側でのメリットはどうなのでしょうか?

① 歯をできるだけ残せる可能性が高まる

肉眼では1倍の視野のため、

「どこまで虫歯なのか?」
「どこから健康な歯の部分なのか?」

という境界線が分かりにくいことがあります。

マイクロスコープで拡大することで、

健康な歯質をできるだけ温存(必要以上に削らないこと!)しながら、必要な部分(必要な歯を残せる!)を処置する

ことに繋がるのです。

② 再治療のリスクを減らすことにつながる

正直にお伝えすると「マイクロスコープを使えば再治療にならない!」ということではありません。

私もマイクロスコープを用いて治療を行う中で、少なからず再治療になることはあります。

しかし、マイクロスコープを使用して

治療部位を詳細に確認することで、肉眼ではわからないことや虫歯などの取り残しを減らすことにつながる

ことは間違いございません。

③ より精密な治療を受けられる

私は同業の歯科医に「マイクロスコープは根管治療でしか使わないんでしょ?」と聞かれたことがあります。いえ、そんなことはありません!!!

「マイクロスコープ治療=根管治療だけ」ではなく、東京神楽坂歯科での私の治療に関しては、「どんな治療でも使用する!!!」が正しいです。

東京神楽坂歯科では主に以下の治療でマイクロスコープ使用しています。

  • 根管治療
  • 虫歯治療
  • セラミック治療
  • ダイレクトボンディング
  • 歯周治療
  • 歯周外科治療
  • 抜歯
  • 歯肉移植
  • 歯牙移植
  • インプラント治療
  • 被せ物治療(クラウン治療)
  • 部分矯正治療

などなど、私にとってマイクロスコープはどんな時でも使うメガネと一緒なのです!

ないと本当に治療ができません…

④ 自分の歯の状態を理解しやすくなる

東京神楽坂歯科のマイクロスコープを使った特徴としては、動画を記録(録画)でし、治療後にその動画を用いて治療をお伝えしています。

「どこに問題(虫歯など)があったのか?」
「どのような治療をしたのか」「治療の中で、精度を高めるための工夫など」

を患者さん自身がご自分の目で確認できます。

これは非常に大きな患者メリットではないでしょうか?自分自身が歯科の治療もしくは身体の手術を受けるとして、どうなっていたか映像で説明を受けられたら、理解しやすいです。

単に「歯科医に任せる治療」ではなく、

患者さん自身が自分の歯の状態を理解して治療を選択できる!、私からもぜひご納得の上治療を受けていただきたいです。

5.マイクロスコープが特に力を発揮する治療

ここで治療に関して特に各治療の際にどん時に有用か詳細をお伝えします。

根管治療

マイクロスコープなしでの治療は考えられません。

  • 根管は非常に細い(1mm弱の範囲を処置することがあります)
  • 根管入口を見つける (副根管などみつけます)
  • 感染物質を確認する 
  • 器具の残存、歯の内側での穴などの確認 

虫歯治療

  • 虫歯と健康な歯の境目をしっかりと見極められる
  • 健康な歯を削る量を抑える
  • 詰め物をピッタリつめる精密さの向上

セラミック治療・ダイレクトボンディング

  • 歯とセラミックが段差がないか適合状態の確認
  • 自然な歯に近い仕上がり
  • ラバーダムを併用すると、詰め物と歯の接着力向上につながる

歯周治療・外科治療

縫合を精密に行う場合や、歯石など的確に取り除くために用いることがおおいです。

6.「マイクロスコープがある=良い治療」ではありません

重要なのは、

  • マイクロスコープを設置して、実際にしようしていること
  • 十分な治療時間を確保している医院環境あること
  • ラバーダムなど精度を高める治療環境が整っていること
  • 拡大視野下で治療する経験や技術があること

です。

例えば、運転免許証は持っているけど、ペーパードライバーの方が、いきなり東京から仙台まで車で運転は難しいですよね。

マイクロスコープを常時使う歯科医師は、間違いなくそれ相応のトレーニングを積んで使用しています。

マイクロスコープは治療の質を高めるための「道具」であり、それだけで治療結果が決まるわけではありません。

7.当院がマイクロスコープを使用する理由

我々、東京神楽坂歯科であれば、マイクロスコープを使用する最大の目的は、「できるだけ歯を残すこと」です。

そのためには

  • ラバーダムの使用
  • 十分な治療時間(自由診療は最低でも1時間)
  • 1人の患者さんに集中する診療体制
  • 精密な根管治療
  • 必要以上に歯を削らない

を一本の歯へのコンセプトとしてしています。

特に、「マイクロスコープを設備として導入していること」により、「精密に治療するための時間と環境を整えています」

8.まとめとして、大切な歯をできるだけ長く残すために

  • マイクロスコープは肉眼では見えない部分を見るための最高の機器
  • 私、歯科医師にとっては診断・治療精度向上に必須である
  • 患者さんにとっては歯の保存、再治療リスク低減、治療への理解
  • 最終目的は「マイクロスコープを使うこと」ではなく「歯を長く残すこと、再治療を極力減らすこと」

私にとって「マイクロスコープを使うこと自体が目的」ではなく、「見える環境を整える」ことで、できるだけ歯を残す治療を行い、歯を残すことでお口の健康を維持し、健康寿命の延伸につながることが最終的な目的であります。

今回もマイクロスコープについて、お話ししました。些細なことでもかまいません。お口の中でお悩みは当院へご相談くださいませ。

東京神楽坂歯科院長 菊地英樹

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