
COLUMN
2026年10月13日
こんにちは、今回はのテーマは虫歯治療です。今回は「治療の質」というところに焦点を当てた、当院で大切にしている虫歯治療のお話しをします。皆様、虫歯治療についてどういったイメージをお持ちでしょうか。今回は「治療の質」ということで、特に虫歯を削る量の重要性をお伝えします。
虫歯治療では取り残しがないことはもちろん重要なポイントですが、健康な歯の部分をしっかりと残していくことが、今後その歯の寿命という観点からとても重要です。歯は一度削ってしまったら元に再生することができない組織です。そのため、虫歯治療においてはご自分の歯を削る量を最小限にとどめ、虫歯を的確に除去する治療が必要です。東京神楽坂歯科では、マイクロスコープを用いて拡大視野下での処置を行うことで、治療の質を高めています。
虫歯の原因は細菌です。歯の表面に細菌が集合し、バイオフィルムを形成します。細菌の出す「酸」によって、エナメル質が溶かされます。象牙質にまで到達すると、甘い物や冷たいのもの、温かいものでしみるなどの症状を自覚します。
象牙質はエナメル質と比べう蝕が進行が早いです。放置をしていると、歯髄組織まで進行し虫歯治療ではなく根管治療へ、さらに歯を大きく削らなくてはいけなくなります。歯の組織が細菌により少しずつ壊されていくのが虫歯です。
皆さん、虫歯へどういったイメージをお持ちでしょうか?「黒」というイメージは少なくないと思います。おっしゃる通り、黒い箇所は虫歯であることが多です。しかし、虫歯を除去していく過程で、黒い箇所を全て削ることが虫歯治療ではありません。
実は「黒い部分=全てが虫歯」ではありません。虫歯の進行に伴い、健康な歯の箇所も黒または褐色することがあります。治療中に黒い部分を全て削ってしまうのは、健康な歯の組織を削り過ぎている場合があります。そのため、治療中にう蝕検知液といい、虫歯の範囲を染め出して、虫歯をピンポイントで除去します。マイクロスコープを当院では併用していますので、虫歯で染まった範囲を健康な歯と見分けながら的確に除去していきます。
歯の色だけで虫歯を取り切れたかの判断ではなく、虫歯の歯を除去したあとの硬さも重要な指標です。ただ虫歯を削るから、マイクロスコープを用いて的確に、最小限の削る量の治療が歯の寿命にも影響すると言えます。
以下当院の虫歯のダイレクトボンド治療を行った際の写真です。全てマイクロスコープを用いて治療をしています。



①緑の矢印の箇所に虫歯があります。
②虫歯を染め出す薬剤を用いています。(青い液体が薬剤です)
③薬剤を水で洗浄すると薄ら青く染まっているのがわかります。(ピンクの矢印)
④青く染まった虫歯の箇所を全て除去
⑤約20倍に拡大して、虫歯が残っていないか確認しています。褐色の部分は薬剤で青く染まりませんでした、これ以上は健康な歯の部分なため削りません。また表面が固く、見た目もツルッと見えます。
⑥ダイレクトボンド治療による詰め物を行った直後の写真です。
→ダイレクトボンディング治療の症例
https://kagurazaka-dental.jp/case/aesthetic01/
歯は身体でも重要な組織ではありますが、再生しないというデメリットがあります。サメのように歯がはえ替わってくれたらいいのですが、残念ながら人体にはその機能がありません。
歯(エナメル質)は体の中で一番硬い組織です。そのエナメル質が壊れることで虫歯が進んでいきます。一度虫歯の治療をしても、日頃のケアがなされていないと再度虫歯になります。下の写真は小さな虫歯が再度虫歯になって治療を繰り返した場合どうなるかを写真で示しました。

上記の写真をあらためてご覧ください。はじめは小さな虫歯から始まりCR充填→再度虫歯ができてインレー治療→またまた虫歯になってクラウン治療の経過をたどることが、臨床の現場では多く見受けられます。青い範囲のように治療のたびに歯を削り、歯が残る範囲が少なくなっていきます。
デンタルサイクル(負のサイクル)という考え方があり、治療をしていくたびに歯を失っていくという考え方です。この負のサイクルを止めることができないと、虫歯とのいたちごっこで、どんどん歯は治療を繰り返し、最後には抜歯をして失われます。
虫歯が大きく、レントゲンの所見で虫歯を全て除去した場合に露髄と言って歯髄が見えてしまうことがあります。
大きな虫歯があり、歯髄にとても近い場合は歯髄へのダメージを避けるために虫歯を除去する量を調整する方法を選択する場合もあります。Schwendicke et al.(2026)
歯科医師により、深い虫歯、とても深い虫歯の治療方法の選択が異なることが多いです。その中でその歯にとって適切な虫歯治療、歯髄を残せる治療も歯科医がオプションとして提供できる環境での治療が望ましいです。当院ではとても深い虫歯を治療する場合、露髄のリスクを考慮して、MTAという薬剤を使った直接覆髄という歯髄を残す治療も行なっております。
マイクロスコープは肉眼では見えない歯の微細な状況を確認するのに有用です。特に奥歯での虫歯、被せ物の境界、歯の亀裂などみれるため、どの範囲まで治療が必要かの判断するときには必須だと思っています。

→ マイクロスコープ関連ブログ
https://kagurazaka-dental.jp/column/haisya-microscope-toha/
う蝕検知液といい、虫歯になった歯質を色で染め出す薬剤を用いて虫歯治療をします。
基本的に染まった歯質はは虫歯であるため、除去をします。虫歯を取り切ったかは、視診(マイクロスコープの拡大視野)・触診(実際に歯の表面の硬さなどを確かめる)・う蝕検知液で複合的に判断をします。

詰め物を歯に接着させるための工程で大切な処置があります。それがラバーダムです。唾液などが入らないようにするために、精密に接着させて処置を行う場合に用います。水色の範囲が全てラバーダムです。実際に口腔内で行なっています。

虫歯を除去した後は、失われた歯質を以下の修復物で処置を行います。
※今回の写真はダイレクトボンド治療を行なっております。

「できるだけ削らない」=まったく削らない、ではありません。
「削らないこと」が大切なのではく、必要以上に健康な歯質を失わないように必要な範囲のみ適切に、最小限に削ることがとても重要です。
虫歯と聞くとすぐに治療が必要なイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。虫歯が仮に極小さい場合には以下の方法で進行を防ぐこともできます。
定期的な口腔内のメインテナンスは、歯を削らずに管理する際に必要です。
「歯科検診=虫歯を見つけて治療を受ける」ではなく、削らずに管理できるすることも治療の一環です。
私は自分の歯以上の歯はないと思っています。ですので、でんな歯でも、残せるのであれば残したいのです。もちろん、残すことができない場合もあることはご理解ください。
目先の治療ではく、10年、20年、それ以上歯が残せたら、それ以上残すためにはどうすべきかを突き詰めていきたいです。
ここまで治療の質にフォーカスを当てて説明してきました。お伝えしたいのは、「できるだけ削らない」ではなく、「必要な部分を適切に削り、健康な歯質を必要以上に失わないこと」です。それにはやはりマイクロスコープは欠かせまん。ご自分の歯を大切に、治療を受けずに済むのであればそれがベストです。治療が必要な場合は1つの歯でも、しっかりとした治療を選択なさってください。当院でお力になれるのであれば、ご相談くださいませ。
新宿区神楽坂にあります、東京神楽坂歯科ではみなさまの歯を残す治療を日々提供しています。マイクロスコープを活用し、精密な治療を行っております。
今回もここまでお読みいただきありがとうございました。みなさまの口腔内の健康、歯を残す治療について有益な情報提供ができるように今後も発信していきたいと思います。
東京神楽坂歯科
院長 菊地英樹